書籍『スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営』

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『スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営』を読了しました。

スノーピークは、新潟県、燕三条を拠点とする国産アウトドアブランドです。


私はアウトドアに明るくないのですが、

近所のホームセンターに売り場ができ、

ごく最近、興味を持ちはじめた、

というステータスです。

売り場にある、

人生に、野遊びを

というコピーに惹かれました。

インドアな私は、

かねてから、

「自然に触れること」が足りてないな、

という気持ちでいたのです。


スノーピークの製品は

  • おしゃれでかっこよく
  • 品質が良く
  • 高価である

という印象を持っていました。

けれども、熱心なファンが多い、

そういう強いブランドである

という印象です。

本書を読み、

スノーピークは

まさにそういうブランドであるべく、

魅力的な製品を生み出すために、

何を重視して

どこを向いて

製品づくりをしているか、

ということがたいへん良く感じられました。

そして、私も

スノーピークのテントで

アウトドアに行きたいな

という気持ちになりました。

メーカーとしての誠実さ

スノーピークは、

製品を開発する際m

必ず社内でレビューを行うそうです。

その中で、

あなたは本当に買うのか

あなたは本当にこの製品が欲しいのか

という質問を、必ず開発者に問う、

とありました。

それはなぜか。

自分の身銭を切って買うのかと聞かれたときに、「いやあ・・・」となるようでは、メーカーとして不誠実である。

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営 P.77

であるからです。

私は、この一文が、

スノーピークのマインドを

端的に示している、

と感じました。


自分のお金を出して、

買わない製品は作ってはいけない

という姿勢を貫く企業が、

一体どれほど存在するでしょうか。

メーカーとして、

自社の製品に惚れて、

だからこそ他のユーザにも勧められる

ということは、

とても理想的な姿であると思いますが、

しかし、現実に

これを徹底することは

たいへん難しい

と感じます。

作りてのこだわりを、

追求することには、

さまざまに制約があります。

妥協せず、

突き詰めることができるのは、

資産や時間、

そして情熱

という要素が揃っていなければ、

たいへん難しいことですから、

自分が本当にほしいモノではないと、

そう感じながらも、

妥協しながら、

製品を世に送り出す

というのは、ある程度仕方がないことだと思います。

あえて左に進む

スノーピークは、

オートキャンプ

という文化を作った企業

としても知られているそうです。

現行の製品も、

何度もテストを繰り返して

最適寸法を明確化していった、

というプロセスが紹介されています。

このように、

他者のマネではなく、

自社で基準を作り出し、

結果として、

それがスタンダードとして、

業界に浸透する

ということができるのも、

スノーピークの強さを象徴しています。

スノーピーク(snow peak) 焚火台 M [3~4人用] ST-033R

出版社:スノーピーク(snow peak) 
●サイズ:350×350×248(h)mm ●材質:本体/ステンレス、ケース/ナイロン ●重量:3.5kg ●シリーズ:Mサイズの他、LサイズとSサイズがあります

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(スノーピーク本社で製造しているという、焚火台)


なぜ、安易にマネをしないか、

というのは、

スノーピークが

アウトドアのライフスタイルを提案する

リーディングカンパニーである、

という

明確なミッション・ステートメント

を持っているからです。

また、

しかも、競合のいる製品は陳腐化し、コモディティーになる。
そこから導き出せるのは価格競争しかない。
ユーザーにとっては安く変えるようになるかもしれないが、それはスノーピークが果たすべき役割ではないと思っている。

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営 P.82

そうではなく、

むしろ、私は造り手として多様な価値観や製品の選択肢をユーザーに与えたい。
他者が右に進んだら、あえて左に進む。
そんな思考回路の会社でありたい

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営 P.82

ということを重視しているからです。

あえて左に進む

それは、「勇気がいること」

と、多くの人の目に写ります。

けれども、

皆が行く道の中で

オリジナリティを出したり、

基準を作っていく

ことは大変難しいことです。

周囲はどうであれ、

「自分が本当にほしい」

製品を作り上げていく中で、

改善を重ねる中で、

何が良いか、

どこを向いていくか、

ということを何度も問い直し、

それを形にしていく。

それを積み上げていくには、

皆と同じ方向を向いているだけでは

できないことがたくさんあるのでしょう。

「キャンプに数回行ったことがある」では採用されない

また、面白かったのが、

採用に関して、でした。

前述のように、

スノーピークは、

前例のないこと

に、積極的に取り組む企業文化です。

それには

真似ではなくて、

自分の頭で考える、

ということが強く求められます。

ですから、

能力があっても、

「キャンプに数回行ったことがある」

という程度の人は、

まず採用しないそうです。

たしかに、

著者自身

年に30泊以上はキャンプをする

ということですし、

自身がアウトドアに親しんでいないと、

熱狂的なファンが

満足する製品を作ることは

難しそうですね。

実際、

過去、能力重視で採用していたことがあったが、

入社後、思うような活躍が見られなかった

というエピソードが明かされていました。


また、

ブランドにぶら下がる

人ではなく、

自らブランドを作り上げていく

というマインドがある

ということを重視している

ということでした。

スノーピークは、

ミッションが明確なため、

形だけではなく、

やっぱりミッションを、生活の一部として取り入れる

というくらいの人ではないと、

なにが良いか

ということすら理解できない

のだと感じます。

ユーザの方を向いているか ?

また、

スノーピークでは、

毎年、ユーザと一緒に

キャンプのイベントを行っているようです。

そのイベントでは、

スノーピークの社員と、

ユーザが、

一緒に焚き火を囲んで

本音で話し合う

焚き火トーク

を、必ず行うそうです。


この焚火トークは

アウトドアのブームが去って

売上が減少し、

大変苦しい時期、

「なんのためにやっているのか」

がわからない時に、

社員の提案で始まったこと

だそうです。

ユーザと直接会い、

生の声を聞きくことで、

大きな課題が見え、

さらには、

その声を真摯に受け止め、

実際に改善を実施したからこそ、

ユーザが離れず、

増益に転ずるきっかけとなった

というエピソードが明かされていました。


「自分たちが欲しい」ものを、

「どうだすごいだろう」と売り出すだけではなく、

ユーザと定期的に会い、

ユーザの笑顔と、

感動を感じてもらえること

忘れないでいること、

ユーザの方を向いて

製品づくりをしている

なるほど

これは強いわけだ、

そう何度も感じる内容でした。

私もキャンプにいきたくなりました。

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