「させていただきます」がデフォルトになる日

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ぶっ放す

ある刑事ドラマが

映画化した頃のことでした。

比較的言葉が乱れていない

私の長男が

突然

「ぶっ放す」

などと言い出し

驚いたことがありましたが、

「あの映画の CM に影響されている」

というのは

明らかでした。


普段利用する言葉は、

周囲から

用意に影響を受けてしまいます。

半ば無意識に

刷り込まれていって

フッと口をついて出る

そういうものですよね。

「させていただきます」は使い所が難しい言葉

私が困惑しているのが

「させていただきます」です。

ニュースでも

店頭の張り紙でも

至るところで

「させていただきます」

を見聞きします。

そのほとんどが

「いたします」

「ございます」

で言い換えることができ、

私はこちらのほうが

スマート

だと考えています。


私も

しっかりと

言語的な訓練を

積んだとは言えず、

まだまだ不勉強ではありますが、

それを差し置いても、

世間の人は

あまり考えずに

言葉をチョイスしている

のだと感じざるを得ません。

とくに

「させていただきます」

は、

使い所が難しい言葉

だと感じますが、

世間の風潮的に

とりあえずそう言っておけば、

丁寧な感じがあるよね

という程度で

この言葉が多用されている

というように受け止めています。


けれども、

私が

「させていただきます」が

明らかに不適切な場合に

「いたします」

という表現をすることで

受け取り手が、

「なんで『させていただく』ではないのか ?」

と疑問に感じてしまう

という瞬間はあるはずで、

ということがあり得る

ということに、

なんというか

やるせなさを感じます。

言語は思考を作る

私は
IT 系のエンジニアで

プログラムコードの

読み書きに

膨大な時間を費やしてきましたが、

感じることは

良いプログラムを書くには

論理的に

要件を整理すること

そのためには

適切な単語を

チョイスできること

が外せない

と感じます。

つまり

普段、日常的に

使用している言葉が

そのまま思考につながり、

思考がプログラムとして

現れてくる

ということです。

ですから、

それが適切かどうか

ということを意識しながら

言葉を選ぶ

ということが

やはり重要である

ということです。

「こんにちは」 と 「こんにちは」

もちろん

言葉は

どんどんと

表記も、用法も、意味も

変わっていくものです。

古典と呼ばれる

小説などを読むと

今現在

流布しているものとは

大きく意味合いが変わっている

言葉に出くわすことが

少なくなく、

それは

時代の流れの中で

ごく自然に起こることなのだ

ということがわかります。


たとえば

「こんにちは」

「こんにちわ」

です。

これは

もともとの意味を知っていれば

「こんにちは」

という表記が

正しい

ということが自明です。

しかしながら

私も最近知ったのですが、

「こんにちわ」

という表記を

正としていた時期もあり、

そのように教育を受けた

人にとっては

「こんにちわ」

が正しいわけです。

私は

「こんにちは」

が正しく、

「こんにちわ」

にすごく違和感を感じ、

得意そうな

「こんにちわ」

という語りだしに、

不快感すら

感じることもあります。

なぜ、正しい言葉を

使おうとしないのか、と。

けれども

言葉は

単なる道具で、

変わりゆくもの

と、

認識を新たにすることで

語り手と聞き手

双方にとって

適切なコミュニケーションが

取れるのであれば

それが重要なのであって

言葉尻にこだわっても

しかたがないこと

とも思うようになりました。


できるだけ

適切に

正しい言葉を選ぶ

それが

思考につながる

ものではありますが、

相手にあわせ

相手に伝わる言葉を

時と場合で

柔軟に使い分ける

という姿勢も

同時に重要なのだ

そう、考えます。

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